エンジニアには、システムを構築するための専門的な知識・技術が必要だ。しかし、フリーエンジニアにはそれ以外のスキルも求められる。例えば営業力はその1つだ。会社に勤務しているなら、営業は営業職の仕事である。一方、フリーエンジニアは全て自分で担当しなければならないため、営業も業務のうちだ。ただし、単に仕事をさせてもらえないかと言っただけで仕事が舞い込むものではない。自分の強みやクライアントにどのような貢献ができるか、このようなポイントを的確に伝え相手に「この人に仕事を頼みたい」と思わせる、これが営業である。

また、コミュニケーション能力も必須だ。会社勤務でもコミュニケーション能力は必要だが、同僚と問題なくやり取りできる程度でまず事足りる。クライアントとの打ち合わせなどは主にチームリーダーなど、開発を統括する立場の人が対応するからだ。

しかしフリーエンジニアになればそうはいかない。業務を進める上で必要なやり取りは全て自分で対応しなければならない。クオリティの高い仕事を行うにはクライアントのニーズを十分引き出すため綿密なコミュニケーションをとることも重要だ。そのほか、交渉力も必要になってくる。フリーで仕事をするなら、より自分に有利な条件で契約を結ぶためにクライアントとの交渉が欠かせない。ただし、相手に納得してもらえなければ契約自体成立しないだろう。自分も相手も双方頷ける落としどころを探りまとめるのが交渉力である。